太陽に手を伸ばす少女


「居場所言えばいいんですか」

『あぁ、後ルナが今記憶喪失だって事も』

「………はっ?記憶喪失って、どういう事ですか」


ルナさんは俺に“お仕置き”をした後、トラックに轢かれて記憶が全て抜け落ちていると言われた。


「ほっ、他に怪我は!?無事なんですよね!?」

『お前、危うく死ぬところだったのにまだルナの事を心配すんのかよ』

「それとこれとは別です。あれは俺が完璧に悪いので、ルナさんがやった事は何も可笑しくありません」

『…すっげぇわ。…ルナは無事だ、普通に何事もなく過ごしてるよ』


それはそれは平和に。
その言葉にざわついた心臓がホッと休まったのが分かった。


『…頭は?具合どうなんだよ』

「見た目より酷くなかったんですよ。きっとルナさん、加減してくれたんですね」

『あー、はいはい。それは良かったわ。お前、しばらくこっちに来んなよ』

「……どうしてですか」

『お前の考えは分かってる。真央に復讐、ちょっと手伝ってやるから俺に協力しろよ』

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