太陽に手を伸ばす少女


「……何のメリットが、」

『ルナに貢献出来るぞ?』

「俺がそれを信じるとでも?」

『それは任せる。でも、近いうちにルナが危ない目に合うかもしれない』

「どういう!」

『その全ての原因は恐らく、真央だ』


疎ましい。煩わしい。死んでほしい。
ルナさんにまで手をかけるのかあいつは。

俺がこの手で殺してやると決めた。
それは例えルナさんでも邪魔する事は許さない。

その後俺は匿名で真央にルナさんの居場所を伝え、真央の周辺を探る度に縹へと情報を提供した。


《ルナが危ない。お前も来い。》
《湯江真央に復讐するチャンスだ》


住所と共に送られてきたそんなメール。
バイクを走らせ倉庫へと向かったあの日。


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