太陽に手を伸ばす少女
□□□


「ルナさん、お待たせしました」


ありがとう、と微笑まれた笑顔は眩しい。
お使いを済ませ、部屋を出ようとしたら呼び止められた。


「2人は今どんな感じなの?」

「一応まだ生きてますよ」

「ふふ、早くトドメを刺してあげればいいのに」

「まだです。まだまだ、苦しんでもらわないと」


きっと俺は狂っている。
そんな事、彼女を追ってここに来た時から分かっている。


「弥生、楽しそう」

「はい、全てルナさんのおかげです」


そんな俺をルナさんは嫌な顔せずに、むしろ優しく微笑み見守ってくれる。

1度裏切った俺を例外でチャンスをくれたのだ。
応えたい。役に立ちたい。


「あ、ルナ。これさ……」


……常にルナさんの傍に居る縹が羨ましい。


「……何、何か付いてる?俺」

「いえ、何も」


ついずっと見つめてしまい、その視線に気付いた縹に不思議そうな顔をされた。
…あぁ、やっぱりずるいな。こいつは。

唯一無二で絶対的な、ルナさんのお気に入り。

俺の方がルナさんの事を思ってるのに。


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