太陽に手を伸ばす少女
アオイ ハナダ ガ オモウコト
ルナが居るだけで引き締まるこのピリッとした空気感は俺は嫌いじゃない。
「ハナぁ、お腹空いたぁ」
そんな外の空気を忘れさせるようなルナの間延びしたそんな声が部屋中に響いた。
「何もねぇよ」
「えぇ〜…」
と言いながら目線は俺を向いており、その目が「買って来いよ」と訴えている。
そしてすかさず弥生に連絡を入れる。
こちらに戻って来た弥生は真央が居た立ち位置に着き、半分ルナのパシリと化している。
コンコン、とノックされた後「弥生です」という声が聞こえ入ってくるように許可を出した。
「お待たせしました」
こいつはいつもニコニコしているな。
…ルナの前だけ行儀がいい。
「それと頼まれていた物です」
「お、ありがとー」
飯と一緒に持って来たのはA4サイズのどこにでもあるような封筒だった。
「本人確認、死亡確認済んでいます。やり方は全て任せるとの事だったので俺の好きに殺らせてもらいましたけど、これで大丈夫でしょうか」
「……んまぁ、十分。いいと思う。ありがとうね、お疲れ様」