太陽に手を伸ばす少女
弥生が持って来た飯を早速蓋を開け食べながら、写真を数枚眺めていた。
気になってルナの後ろに周り覗くと、そこには血だらけの見知らぬ男が。
よくこれを見ながら飯を食えるなと思うが、もはや職業病並の影響なのか何とも思わなくなるのも痛いほど分かる。
失礼します、と言って部屋を出て行こうとした弥生をルナは呼び止めた。
「はい、何でしょうか」
「弥生さ、兄弟いる?」
「……え、」
しん、とした空気が流れた。
まさかそんな事を聞かれるとは思っていなかった弥生は目を見開き何を言おうか迷っているようだった。
その一瞬で、もう既に答えが出ているのに。
「いない、です」
「そうなの?」
「どうして急にそんな事…」
「ん?別に?」
「……」
弥生の顔を一切見ず、あっけからんとして話すルナ。
それに対し、質問の意図を理解出来ず動揺している弥生。
「……なんだそっか、“弟”いないんだ…」
「っ、ルナさん、」
「ありがと。もう下がっていいよ」