太陽に手を伸ばす少女


久住さんと一緒に校内へ入り校長室へと向かった。
キョロキョロ周りを見渡す私は迷いなく進んでいく久住さんについて行くのが必死で追いかける。

来客用の玄関から入るとすぐにトロフィーや賞状が飾られている一角があり、そこを通り過ぎてすぐに《校長室》と彫られたプレートのドアがあった。


ノックをして入ると正面には校長先生らしき人と、手前の1人がけソファに男の人が立っていた。


「よぉ、久しぶりだな」

「おう、真。遅かったな、道に迷ったのか?」

「違ぇわ、ツキのせいだ」

「なっ」


校長先生と久住さんはどうやら知り合いのようで仲良く談笑を始め、私達はおいてきぼり。

2人を見ながら苦笑いする男の人は1人がけソファに座っていたのは私の担任になる先生だった。


「羽宮ツキさんだよね?」

「あ、はい。羽宮ツキです。よろしくお願いします」

「僕の名前は深山(ミヤマ)といいます。よろしくね」


よかった。優しそうな先生だ。


「そういえばツキ」


校長先生と話していたはずの久住さんにいきなり名前を呼ばれ反射的に「はいっ」と大きく返事をした。


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