太陽に手を伸ばす少女
「羽宮ツキです。よろしくお願いします」
軽く自己紹介を済ませ1限が始まるまでの時間に転入生あるあるというか、質問攻めにあってしまった。
どこから来たの?
部活はしていた?
彼氏はいるの?
だいたいそんな事を。
対策しておくんだったと思いながら、なんとか質問を交わし事なきを得た。
「あ、そういえばさっき中庭で男子見かけたんだけどその人も同じクラスなんでしょ?」
「中庭?あぁ、積木の事かな?そうそう、同じクラスだよ」
「積木くんっていうんだ、」
「なになに?もしかして気になってる?あいつ顔だけは良いからね〜」
隣の席の女の子はさっぱりしている性格なのか、接しやすかった。
私のそんな小さな質問にニヤニヤしながら興味津々に聞いてくれた。
「や、そんなんじゃないよ!」
「初日だもんね、流石にか。でもあんまり関わんない方がいいよ、色んな噂あるし。沸点低いからすぐ喧嘩になるって聞いたなぁ」
「そう、なんだ…」
「ツキはそういうのに無縁そうだし、近付かない事に越したことはないね!」
嫌われているわけでもないし、好かれているわけでもない。
単純にそう感じた。