太陽に手を伸ばす少女
□□□


4月とはいえ夏日となった翌日。
ポカポカしていたはずの太陽をずっと浴びているとうっすら汗をかいてしまう、そんな日。

中庭に置いてある自販機の場所はちょうど日陰になっていて風通りもよくなんなら人通りも少ない。
そこに俺は階段に座り込んでスマホを弄っていた。


「積木くん!こんにちは!」

「…あ?なんなのお前。話しかけてくんなよ」


この前、いきなり話しかけて来た女。
思い切り睨んでもビビる様子もなくヘラヘラして近付いて来た。


「ごめんごめん、暇そうだったから。何見てたの?」


鬱陶しくてたまらない。
さりげなく隣に座ってんのもムカつく。


「いいのかよ」

「ん?何が?」

「俺と話してたら転入早々友達いなくなんじゃねぇの」

「んー、それは困るなぁ」


友達出来たばっかりだし、と困ったように笑った。
クラスの奴らから色々聞かされているはずなのに、どうしてコイツは俺に近寄ってくるんだろうか。


< 24 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop