太陽に手を伸ばす少女
▷▷▷
仕事に行った久住さんが居なくなったこの部屋は静かすぎて耳が痛い。
おかげでピロンッ、といういきなり鳴った音に驚いた。
その音の主はテーブルに置かれたスマホだった。
『はいこれ、お前のスマホな』
『ありがとうございます。……あれ?連絡先、久住さんしかいないんですけど』
『おう』
『これ、前に私が使ってたスマホじゃないんですか?』
『前にお前が使ってたスマホは事故でぶっ壊れて、データも復元しようがなかったんだよ』
『あ、そういう…』
退院してここに向かう道中の車内で渡されたスマホ。
連絡先には《久住 真》という文字しか入っておらず、他は初期設定のままだった。
『使い方は?分かるか?』
『……はい、覚えてるみたいです』
『そう。何かあったらすぐ連絡しろよ』
『分かりました』
スマホも、住む家まで何もかも用意してくれた久住さん。
“保護者”の意味がなんとなく分かってきたが、血の繋がりもなさそうだしどうしてここまでしてくれるのか不思議だ。
仕事に行った久住さんが居なくなったこの部屋は静かすぎて耳が痛い。
おかげでピロンッ、といういきなり鳴った音に驚いた。
その音の主はテーブルに置かれたスマホだった。
『はいこれ、お前のスマホな』
『ありがとうございます。……あれ?連絡先、久住さんしかいないんですけど』
『おう』
『これ、前に私が使ってたスマホじゃないんですか?』
『前にお前が使ってたスマホは事故でぶっ壊れて、データも復元しようがなかったんだよ』
『あ、そういう…』
退院してここに向かう道中の車内で渡されたスマホ。
連絡先には《久住 真》という文字しか入っておらず、他は初期設定のままだった。
『使い方は?分かるか?』
『……はい、覚えてるみたいです』
『そう。何かあったらすぐ連絡しろよ』
『分かりました』
スマホも、住む家まで何もかも用意してくれた久住さん。
“保護者”の意味がなんとなく分かってきたが、血の繋がりもなさそうだしどうしてここまでしてくれるのか不思議だ。