太陽に手を伸ばす少女
「今日はお前が寝るまでここに居てやるから、早く風呂入ってこい」
「え、でも仕事…」
「気にすんなって言ったろ」
「…じゃあ、お風呂入ってきます」
前の私はどんな感じだったんだろう。
麟くんに守られた時、蒼井は私に“らしくない”と言った。
私は守られる側じゃなかったって事?
蒼井さんは本当に私と“友達”なんだろうか。
ひとつの事が気になると他の全てまで怪しく思ってきてしまう。
頭をぶんぶんと振って今だけは忘れようと、洗面所へと向かった。