太陽に手を伸ばす少女
…そういえば私は16歳で、普通なら高校に通っている高校生だ。
何かSNSをやっていたかもしれない。
ネットで自分の名前を打ち込み探しても、それらしいものは何一つ見つからなかった。
…ま、そりゃあそのままの名前でやってないよね。
夕方久住さんが来たらその時に聞いてみよう。
写真とか持ってるかもしれないし。
柔らかいソファに横になると段々と眠気が襲ってくる。
今日は疲れた。
手からボトリとスマホが床に落ちる音が聞こえたが眠気に勝てず目を瞑ってしまった。
「…ぃ、」
遠くで、誰かの声が聞こえた。
「おい、」
「ん、?」
「おいツキ!」
「あっ、え!?」
大きな声に驚いて目を開けると窓の外はもうすっかり暗くなっていて目の前には久住さんが居た。
「すみません、寝てたみたいで…」
「……いや、いい。それより腹減ってねぇか?」
「あ、そうですね、お腹減ったかも」
「じゃあ飯食いにいくぞ」
早く準備しろと急かされて近くにあったスマホだけ持って久住さんの後ろを追いかけた。