太陽に手を伸ばす少女
#2
テンキアメ
『はぁっ、……は、』
『っも、ゆ、許してくださいっ、』
土砂降りの雨が降っている。
私の目の前には縋り付くように跪いている男の人。
『裏切り者は許さない』
『ヒッ』
『それが私が決めた、私達のルール』
『やめっ、俺じゃ、俺じゃないんです!!』
悲痛な叫び声にも似た声でそう訴える男の人。
顔はモヤがかかって誰なのか分からない。
『…じゃあ、誰?』
『─────っ、!!!』
『…は、』
雨音と雷の音で掻き消された誰かの名前。
カットがかかったかのように切り替わって、気付くと私の拳からは血が滴っていた。
…これは、私…なの?
「…ぃ、」