あのね、わたし、まっていたの ~慈愛の物語~ 【新編集版】
布団の中で待っていると、お母さんがあとから入ってきた。
いきなりくすぐられたので声を上げて笑ってしまったが、負けじとくすぐり返すと、お母さんも声を上げて笑った。
くすぐりっこがしばらく続いた。
メチャ楽しかった。
楽しくて涙が出た。
お母さんがわたしの手を握った。
柔らかくて温かかった。
温かくて涙が出そうになった。
「お母さん、あのね」
毎日学校でからかわれていること、友達が一人もいないこと、これ以上仲間外れになりたくないから同級生が遊ぶ公園にいつも行くこと、でも誰も遊んでくれないからベンチで本を読んでいることを打ち明けた。
お母さんは黙って聞いてくれた。
かわいそうに、とも、つらかったね、とも言わなかった。
ただ手を握ってうんうんと頷いていた。
話し終わると、布団の中で優しく抱き締められた。
そして頭を撫でながら小さな声で訊かれた。
「その子たちに叩かれたり蹴られたりしてない?」
わたしはお母さんの腕の中で頭を振った。
「お金をせびられたりしてない?」
強く頭を振った。
「そう」
お母さんは安心したように息を漏らした。
そして、「もし暴力を受けたり、お金をせびられたらすぐに言うのよ」とわたしの目を見て言った。
その後は髪を撫でながら、ポツリポツリと話しかけてきた。
「友達を無理に作らなくていいんだよ」
「無理して誰かと仲良くならなくてもいいんだよ」
「誰かと同じでなくてもいいんだよ」
それからお母さんはわたしをギュッと抱きしめて、「貴真心が貴真心らしくいてくれたら、お母さんは幸せよ。だから、自分のやりたいことを大事にしなさい。いつも自分らしくありなさい」と言った。
いきなりくすぐられたので声を上げて笑ってしまったが、負けじとくすぐり返すと、お母さんも声を上げて笑った。
くすぐりっこがしばらく続いた。
メチャ楽しかった。
楽しくて涙が出た。
お母さんがわたしの手を握った。
柔らかくて温かかった。
温かくて涙が出そうになった。
「お母さん、あのね」
毎日学校でからかわれていること、友達が一人もいないこと、これ以上仲間外れになりたくないから同級生が遊ぶ公園にいつも行くこと、でも誰も遊んでくれないからベンチで本を読んでいることを打ち明けた。
お母さんは黙って聞いてくれた。
かわいそうに、とも、つらかったね、とも言わなかった。
ただ手を握ってうんうんと頷いていた。
話し終わると、布団の中で優しく抱き締められた。
そして頭を撫でながら小さな声で訊かれた。
「その子たちに叩かれたり蹴られたりしてない?」
わたしはお母さんの腕の中で頭を振った。
「お金をせびられたりしてない?」
強く頭を振った。
「そう」
お母さんは安心したように息を漏らした。
そして、「もし暴力を受けたり、お金をせびられたらすぐに言うのよ」とわたしの目を見て言った。
その後は髪を撫でながら、ポツリポツリと話しかけてきた。
「友達を無理に作らなくていいんだよ」
「無理して誰かと仲良くならなくてもいいんだよ」
「誰かと同じでなくてもいいんだよ」
それからお母さんはわたしをギュッと抱きしめて、「貴真心が貴真心らしくいてくれたら、お母さんは幸せよ。だから、自分のやりたいことを大事にしなさい。いつも自分らしくありなさい」と言った。