あのね、わたし、まっていたの  ~誰か声をかけてくれないかなって~ 【新編集版】
 目途が立ったところでわたしは桜田に会い、夏島と秋村から快諾をもらったこと、スポーツマン・スポーツウーマン教師へのアプローチが順調に進んでいることを伝えた。

 そのあとの桜田の行動は早かった。
 教育特区本申請案をまとめるや否や市議会に提出したのだ。
 支持母体を持たない桜田は多くの反対意見が出されることを覚悟して臨んだが、あの夏島熱男が校長就任にOKを出したこと、更に、地元の英雄であり、世界や日本で活躍している建十字と横河原と奈々芽が協力してくれることを報告すると、反対どころか驚嘆の声が上がるだけでなく拍手まで湧き起こり、ほとんど質疑もなく議員全員賛成で議案は承認されたという。
 そのことを後日聞いたわたしは思わず飛び上がって大きな声を発してしまった。
 
 
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