あのね、わたし、まっていたの  ~新編集版~
 目指す場所はピッティ宮殿内にあるパラティーナ美術館だった。
 アルノ川にかかるヴェッキオ橋を渡り、直進すると大きな建物が左に見えた。
 ピッティ宮殿だ。
 壮大で美しい外観をじっくり見ていたかったが、時間がなかった。
 急いで中に入り、階段を上って2階に急いだ。
 しかし、入口が見つからなかった。
 焦ったが、キョロキョロしても始まらないので、人の流れを観察した。
 
 何人もの人が一定方向へ動いていた。
 その流れについていくと、入口にたどり着いた。
 中に入って時間を確認すると、閉館まで40分を切っていた。
 焦った。
 どうしても見たい絵が2つあった。
 それだけはなんとしてでも見ておきたかった。
 急ぎ足で展示室内を移動した。

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