あのね、わたし、まっていたの ~誰か声をかけてくれないかなって~ 【新編集版】
◇ 小学4年生 ◇
「き・ま・こ、き・ま・こ、鬼の子、悪魔の子!」
4年生になってすぐの頃、あの意地悪な女の子が黒板にわたしの名前を〈鬼魔子〉と書いて、囃し立てた。
〈貴い真心〉を持つ人になるようにと両親が願って付けてくれた大事な名前の漢字を勝手に変えてからかったのだ。
いや、からかいではなく虐めだった。
そのせいで仲間外れになり、一人ぼっちになり、友達は公園のベンチだけになった。
毎日そこで本を読むだけの日が続いた。
それには理由があった。
公園で本を読んでいたら誰かが声をかけてくれるかもしれないと思ったのだ。
だから毎日放課後に公園へ行って本を読んでいた。
でも、いくら待っても何も起こらなかった。
本を読みながら、時々上目遣いで友達を見るが、誰もわたしのことを気にしていなかった。
いや、無視していた。
あの意地悪な子が睨みを利かせていたからだ。
「き・ま・こ、き・ま・こ、鬼の子、悪魔の子!」
4年生になってすぐの頃、あの意地悪な女の子が黒板にわたしの名前を〈鬼魔子〉と書いて、囃し立てた。
〈貴い真心〉を持つ人になるようにと両親が願って付けてくれた大事な名前の漢字を勝手に変えてからかったのだ。
いや、からかいではなく虐めだった。
そのせいで仲間外れになり、一人ぼっちになり、友達は公園のベンチだけになった。
毎日そこで本を読むだけの日が続いた。
それには理由があった。
公園で本を読んでいたら誰かが声をかけてくれるかもしれないと思ったのだ。
だから毎日放課後に公園へ行って本を読んでいた。
でも、いくら待っても何も起こらなかった。
本を読みながら、時々上目遣いで友達を見るが、誰もわたしのことを気にしていなかった。
いや、無視していた。
あの意地悪な子が睨みを利かせていたからだ。