あのね、わたし、まっていたの ~慈愛の物語~ 【新編集版】
その夜、色々考えて、作戦を変えることにした。
彼が本当に興味のあること、思わず目を輝かせるようなものに絞ることにしたのだ。
翌日の放課後、図書館へ直行してスポーツコーナーで探していると、ぴったりだと思うものを見つけることができた。
これなら気に入ってくれると思うと嬉しくなってスキップを踏んで家に帰り、夢中になってそれを読んだ。
その翌日、それを建十字に渡した。
「これ読んでみて」
すると、題名を見るなり彼の目が輝いた。
「大多仁だ♪」
渡したのは『大多仁選手の挑戦・大リーグへの道』という本だった。
「図書館で借りた本だから2週間後には返さなくてはいけないの。だから、その前に必ずわたしに返してね。それと、この本に何が書いてあったのか、このノートに書いて欲しいの」
「なんで?」
「わたしも知りたいの。大多仁選手のことが知りたいの」
もう読んで内容は知ってはいたが、敢えて教えて欲しいとお願いした。
すると、意外にも彼は嬉しそうな表情になった。
「貴真心も好きなのか。そうか~」
ちょっとニヤニヤしながら本をランドセルに仕舞った。
そして、「2週間後だな」と言ってくるりと後ろを向き、走って行った。
彼が本当に興味のあること、思わず目を輝かせるようなものに絞ることにしたのだ。
翌日の放課後、図書館へ直行してスポーツコーナーで探していると、ぴったりだと思うものを見つけることができた。
これなら気に入ってくれると思うと嬉しくなってスキップを踏んで家に帰り、夢中になってそれを読んだ。
その翌日、それを建十字に渡した。
「これ読んでみて」
すると、題名を見るなり彼の目が輝いた。
「大多仁だ♪」
渡したのは『大多仁選手の挑戦・大リーグへの道』という本だった。
「図書館で借りた本だから2週間後には返さなくてはいけないの。だから、その前に必ずわたしに返してね。それと、この本に何が書いてあったのか、このノートに書いて欲しいの」
「なんで?」
「わたしも知りたいの。大多仁選手のことが知りたいの」
もう読んで内容は知ってはいたが、敢えて教えて欲しいとお願いした。
すると、意外にも彼は嬉しそうな表情になった。
「貴真心も好きなのか。そうか~」
ちょっとニヤニヤしながら本をランドセルに仕舞った。
そして、「2週間後だな」と言ってくるりと後ろを向き、走って行った。