あのね、わたし、まっていたの  ~慈愛の物語~ 【新編集版】
 二人の姿は道路上から消えていた。
 トラックのドアが開くと、真っ青な顔をした運転手が震えながら降りてきた。
 ごくりと唾を飲み込み、膝を折って、恐る恐る車体の下を覗き込むと、女の子が二人、大きな前輪タイヤの前に横たわっていた。
 一人は右膝を、もう一人は右肘を抱えて(うめ)いていた。
 運転手はスマホを取り出して警察に電話しようとしたが、手が震えて地面に落としてしまった。
 それを見たコンビニの店員が店に戻って電話をかけた。
 しばらくして救急車が来て病院へ運ばれていった。

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