あのね、わたし、まっていたの ~誰か声をかけてくれないかなって~ 【新編集版】
ひとしきり熱弁を振るったオーナーは残り少なくなったボトルを掲げて、どうしようかな、というような表情を浮かべたが、これで止めるという選択肢は選ばなかった。
「飲み切るぞ!」
残り少ない幻の酒を2つのグラスに注いで、「乾杯!」と声を上げた。
弟も掲げ返したが、口は付けず、オーナーが飲むのをただ見ていた。
「これもどうぞ」
飲み干したオーナーに自分のグラスを差し出した。
「えっ、いいのか?」
驚いた表情になったが、弟が頷くと漫画のような目尻になって受け取り、一気に飲み干した。
そこで様子を見た。
そろそろオネムの時間になってもらわないと困るからだ。
しかし、目がトロンとして体は少し揺れているが、すぐに寝そうな感じではなかった。
困ったな~と思ったが、もう打つ手は残っていなかった。
それに、酒もなくなったのでここに残る理由もなくなった。
万事休すか、と思った時、オーナーの口が開いた。
大きなあくびだった。
それが立て続けに出ると、体の揺れが大きくなった。
目はほとんど開いていなかった。
何やらブツブツ言ったと思ったら、そのままゆっくりと机にうつ伏した。
そして、寝息を立て始めた。
息をひそめて見つめた。
完全に眠るまで音を立てずに見つめ続けた。
それでも念のためにもうしばらく待って彼の背中に手を置き、小さな声でオーナーの名前を呼んだ。
反応はなかった。
しかし焦らなかった。
心の中で100数えて今度は背中を揺すった。
しかし、びくともしなかった。
そのうちイビキが聞こえてきた。
間違いなく熟睡状態に入っていた。
弟はパソコンのディスプレーに目を移した。
そこにはさっきから気になっていたアイコンがあった。
『秘密』
もう一度オーナーの状態を確認してからそのアイコンをクリックした。
あった。
あの写真があった。
それをすべてスマホで撮影した。
「飲み切るぞ!」
残り少ない幻の酒を2つのグラスに注いで、「乾杯!」と声を上げた。
弟も掲げ返したが、口は付けず、オーナーが飲むのをただ見ていた。
「これもどうぞ」
飲み干したオーナーに自分のグラスを差し出した。
「えっ、いいのか?」
驚いた表情になったが、弟が頷くと漫画のような目尻になって受け取り、一気に飲み干した。
そこで様子を見た。
そろそろオネムの時間になってもらわないと困るからだ。
しかし、目がトロンとして体は少し揺れているが、すぐに寝そうな感じではなかった。
困ったな~と思ったが、もう打つ手は残っていなかった。
それに、酒もなくなったのでここに残る理由もなくなった。
万事休すか、と思った時、オーナーの口が開いた。
大きなあくびだった。
それが立て続けに出ると、体の揺れが大きくなった。
目はほとんど開いていなかった。
何やらブツブツ言ったと思ったら、そのままゆっくりと机にうつ伏した。
そして、寝息を立て始めた。
息をひそめて見つめた。
完全に眠るまで音を立てずに見つめ続けた。
それでも念のためにもうしばらく待って彼の背中に手を置き、小さな声でオーナーの名前を呼んだ。
反応はなかった。
しかし焦らなかった。
心の中で100数えて今度は背中を揺すった。
しかし、びくともしなかった。
そのうちイビキが聞こえてきた。
間違いなく熟睡状態に入っていた。
弟はパソコンのディスプレーに目を移した。
そこにはさっきから気になっていたアイコンがあった。
『秘密』
もう一度オーナーの状態を確認してからそのアイコンをクリックした。
あった。
あの写真があった。
それをすべてスマホで撮影した。