再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

帰って来た同期

春四月。
今年は暖冬だったせいで春の訪れも早くて、街中の桜もちらほらと咲き始めている。
当然気温も暖かく、今だってカーテンの隙間から朝の温かな日差しが差し込んでいる。
こんな日には気が済むまで眠っていたい。
出来ることなら昼前に目覚めて、簡単なストレッチをしてからフルーツとヨーグルトで朝食をとり、時間なんて気にすることなくのんびりと過ごして・・・

ブブブ ブブブ。
その時、私の耳もとに響いた無機質な金属音。

「う、ううーん」
私はベットサイドの小さなテーブルに手を伸ばすと、スマホのアラームを切った。

ゆっくりと春眠を貪りたいとは思うものの、そんなことできないのも会社勤めの現実。
私は時刻が7時を回ったのを確認して、ゆっくりと体を起こした。
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