再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
「何で、助けたの?」

しばらく固まっていたものの、今日は平日だと思い出したのか起き上がった美優が俺の顔を振り返った。

「なに、放置しておいたほうがよかったか?」

もしかして俺は今、喧嘩を売られているんだろうか。

「そうは言わないけれど・・・お願いだから、昨日のことは表沙汰にしないでね」

こいつは、こんな時まで石田の心配をするのか。どこまでお人好しなんだ。
そう思うと腹が立った。

「なあ、お前は自分の置かれていた状況が理解できているのか?」
「それは・・・」

後ろめたさがあるのか、美優は下を向く。
ここぞとばかり、俺は美優の目の前まで移動してしっかりと視線を合わせた。

「こういう時は、助けてくれてありがとうだろ?」
「うん・・・ありがとう」

照れくさそうに礼を言う美優が可愛くて、俺はついニヤついてしまった。


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