再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
「今夜、夕食を一緒にどうだ？北海道の知り合がチーズやハムや夏野菜を大量に送ってきたんだが、俺一人では食べきれない」

今日もNAGASIMAの部長室で夕食のお誘いを受けた。
交友関係の広い亮平の家には色々な贈り物が届くようで、時々一緒に食べてほしいと誘われるのだ。

「じゃあ、夕食の用意をするわ。何か食べたいものがある？」
「そうだなぁ、肉じゃががいい」
「はい、わかりました」

小さい頃から祖父母に育てられた私の料理は、どちらかと言うと和食の家庭料理が多かった。
そのせいかあまりオシャレではないのだが、亮平は茶色い煮物や和え物を喜んで食べてくれる。

「じゃあ楽しみにしているから、今日は残業にならないように仕事を切り上げてくれよ」
「それは、お互い様でしょ」

とても会社の部長室でする会話ではないと思いながらも、いつまで続くかわからない曖昧な関係だからこそ、私は思い出を刻むつもりであまり先のことを考えないようにしている。
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