再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
季節は梅雨を経て夏に向かい、すでに7月。
色々と気がかりはあるものの、このまま穏やかな日常が続くと思っていた。
しかし、そんな時に限ってトラブルは向こうからやって来る。

「えっ、そんな・・・」

いつものように落ち着た日が過ごせるのだろうと思っていた午後の時間。
お昼休みが終わり、みんなが午後の作業に入ろうとした時に課長の叫び声が聞こえてきた。
そのただことではない様子に、部内全員の視線が集中する。

「どうしました?」

電話を持ったまま絶句した課長に私は駆け寄った。

「イベント用の商品が届いていないらしい」
「え?」

イベント用の商品が、届かない?
商品を仕入れ、それを販売することで利益を得ている商事会社としては品物が届かないと言われるのが1番怖い。
もちろんそんなことが起きないように全員が細心の注意を払うのだが・・・

「どうしました?」

フロア内の雰囲気を感じ取ったのか、亮平が部長室から出てきた。
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