再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
事件から約一か月後、私にとっては事件後初めての出勤日。

「おはようございます、美優さん」
「おはよう」

始業よりも少し早めの時間に出社すると、いつもと変わりなく千穂ちゃんが声をかけてくれた。

「体の方はもういいんですか?」
「うん、もうすっかり。心配かけたわね」

いつもと何も変わらない朝。
もう少しすれば課長も他のメンバーもやって来るだろう。
しかし、以前と違うことが1つだけある。
それは、石田くんがもういないことだ。

「しばらくの間は半日勤務って聞きましたけど?」

本当ですかと千穂ちゃんが見ている。

「いや、知らないよ」

きっと心配した亮平が勝手に言ったことだと思うけれど、私は今日からフルスロットで働くつもりだ。
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