再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

新しい暮らし

「美優、行くぞ」
「待って、ほら、お弁当」

朝の慌ただしい時間。
それは誰にとっても同じだと思うけれど、同じ会社に出社しようとする私たちの朝は本当にタイトスケジュールだ。

「片付けなんか帰ってからでいいよ」
「でも、今日は会議で遅くなりそうだから」

珍しく午後から長めの会議が予定されている私は夕食の仕込みをして冷蔵庫にしまうところだった。
こうしておけば帰ってすぐ食べられる。

「無理しなくても、会議は課長に代わってもらおうか?」
「いいわよ、そのぐらい大丈夫」

私が残業になるとわかると、亮平はすぐに仕事を課長に振ろうとする。
気を遣ってもらうのは嬉しいと思うのだが、それではあんまり申し訳ないし、私だって人並みに仕事がしたい。
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