再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

ここはオフィスで、今は仕事中なのだとわかっているのに涙を止めることができず、私は周囲からの視線をごまかすようにノートパソコンを手にフロア内にある休憩スペースと逃げ出した。

「僕のとった方法は確かに間違っていましたが、美優さんのことが好きだった気持ちに嘘はありません。亮平さんに嫉妬して全てを投げ出してしまうほど、大好きでした。できることならもう一度美さんに会いたいけれど、それは許されないことですね。どうか亮平さんと幸せになってください。僕は遠く異国の地で美優さんの幸せを願っています」

私が苦しんだように、石田くんも色々な思いをしたんだろう。
自分の人生を投げ出すって、相当な覚悟のはずだ。
その原因が自分だったってことが今でも信じられないが、これが現実であることに間違いはない。
私は止まらない涙をハンカチ押さえた。