再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
しばらくの時間私たちは休憩室で過ごした。

「石田くんから、連絡があったの」
「そうか」
「彼、元気そうだった」
「そうか」

私にとって今頼れる先はこのぬくもりだけ。
石田くんのことをきっかけにして、私は自分にとって何が1番大切なのかを知ってしまった。

「返事なんて送るなよ」
「え?」
何でと、私は首を傾げた。

「美優は優しいから、すぐ情にほだされるだろ」
「そんなこと」
ないと思う。
「もう、石田にはかかわるんじゃない」
「そんな・・・」

確かに、事件を内々に処理すると決まった時、亮平は今後一切石田くんが会社にも私にもかかわらないことを条件にしたとお母様から聞いた。
それだけ私のことを大切に思ってくれているってことだろう。
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