再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
「ああ、なんかむかつくな」
「え?」

何だか苛立たし気な言葉に、私は顔を上げた。

「美優が石田を思い出しているってだけで腹が立つ」
「そんな・・・」

何だろう、今日の亮平はいつもと違う気がする。

「美優。このまま早退するか?」
「は?そんなこと…できる訳ないじゃない」

今日は会議が二つと、来客の予定もある。
仕事一筋の亮平が予定をキャンセルなんて、できるはずがない。

「今すぐ美優と二人りきりになりたい」
「・・・亮平」

これはもしかして・・・嫉妬?
いやいやまさかと思いながらも亮平の視線から目を離すことができなかった。

「美優、どこにも行くな」
「ええ、もちろん。私はここにいるわ」

それからしばらく、亮平は私を抱きしめてくれていた。
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