再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
「悪いが、これは部長判断だ。石田には丸星デパートの主担当になってもらう。いいな?」
かなり危ない駆けのような気がするけれど、部長判断だと言われれば仕方ない。
「どうなっても知りませんよ」
「ああ。それはそうと、お前の中で俺のイメージはどうなっているんだ?」
「どういう意味ですか?」
「俺は全然優秀なんかじゃない。少なくともお前の前では情けない姿をさらしていたはずだが?」
「それは、私も一緒です」
いっぱい泣いたし、怒ったし、八つ当たりをしたことだって何度もある。
それでも、長嶋はいつも私よりも一歩前走っていた。
長嶋に助けられて私はここまでやって来れた。
「また、一緒に2人で仕事がしたいな」
「無理ですよ。あなたはNAGASIMA本社の営業部長なんだから。私とは違う世界の人です」
この先取締役になりゆくゆくは社長になる長嶋と私の人生が重なることはない。
「残念、俺はあきらめが悪いんだ。欲しいものは絶対に手に入れる」
真っすぐに私を見て宣言する長嶋が、入社式で初めて会った時の彼に見えた。
強気で、怖いもの知らずで、自信に満ち溢れていたあの頃。でも、本当は努力家で、寂しがりやで、精一杯虚勢を張っていたのを私は知っている。
「お手柔らかにお願いします」
「はいはい」
いつの間にか一緒に営業周りをしていたころの気持ちになっていた。
幸せだったあの頃。
私の隣りにはいつもあなたがいた。
かなり危ない駆けのような気がするけれど、部長判断だと言われれば仕方ない。
「どうなっても知りませんよ」
「ああ。それはそうと、お前の中で俺のイメージはどうなっているんだ?」
「どういう意味ですか?」
「俺は全然優秀なんかじゃない。少なくともお前の前では情けない姿をさらしていたはずだが?」
「それは、私も一緒です」
いっぱい泣いたし、怒ったし、八つ当たりをしたことだって何度もある。
それでも、長嶋はいつも私よりも一歩前走っていた。
長嶋に助けられて私はここまでやって来れた。
「また、一緒に2人で仕事がしたいな」
「無理ですよ。あなたはNAGASIMA本社の営業部長なんだから。私とは違う世界の人です」
この先取締役になりゆくゆくは社長になる長嶋と私の人生が重なることはない。
「残念、俺はあきらめが悪いんだ。欲しいものは絶対に手に入れる」
真っすぐに私を見て宣言する長嶋が、入社式で初めて会った時の彼に見えた。
強気で、怖いもの知らずで、自信に満ち溢れていたあの頃。でも、本当は努力家で、寂しがりやで、精一杯虚勢を張っていたのを私は知っている。
「お手柔らかにお願いします」
「はいはい」
いつの間にか一緒に営業周りをしていたころの気持ちになっていた。
幸せだったあの頃。
私の隣りにはいつもあなたがいた。