再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
二人でゆっくり散歩をした後、私たちは部屋に戻った。
ちょうどその時亮平のスマホに仕事の着信があり、私は仕事の邪魔にならないように部屋から続くバルコニーへと出てきた。
そもそも、年末の忙しい時期に郊外のホテルへ泊まりに行くことは亮平にとって大変な負担だと思う。
当然のように仕事は溜まるし、メールや電話から完全に解放されることもない。
それでも誘ってくれたのは、私への気遣いなのだろうな。

「風が冷たいな」

電話を終えた亮平がバルコニーへと出てきた。

「そうね、亮平も温かくした方がいいわ」

ちょうど手にしていたストールを亮平に掛けようと手を伸ばしたところで、手首をつかまれ腕を引かれた。

「あっ」

思わず体勢を崩しそうになった私を、亮平は包み込み抱きしめる。

「こんなに冷たくなって・・・」

私の頬に自分の頬を寄せ、それから唇を重ねた。
優しく、温かな熱が私の中へと流れ込み、全身の力が抜けていく。
一緒に住むようになって、私たちは男女の関係を持つようになった。
そういう意味でも、私と亮平は特別な存在になった。

「夕食は、あとで部屋に運んでもらおうか?」

艶めかしく、それでいて情熱的な目で私を見ながら、亮平は少し照れ臭そうな顔をする。

「そうね」

私が亮平の意図するところを理解し小さくうなずくと、亮平は私を抱きかかえてベッドルームへと向かって歩き出した。
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