再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
長嶋の実家は都内にあるものの、お母様とは小さな頃に離別していて大学入学と同時に家を出たと聞いていた。だから、今も一人暮らしなのだろうと思う。
結婚したとは聞いていないけれど、彼ならお弁当を作ってくれる恋人がいたとしても不思議ではない。

「吉野チーフ、来週の水曜日はどうですか？」
「え？」

事務方の若手社員に声をかけられ、首を傾げた。

「朝礼で話があったじゃないですか、部長の歓迎会ですよ」
「あー、そうだったわね」

そう言えば、今朝の朝礼で早いうちに歓迎会を行いたいと課長が言っていた。
どやら課長から歓迎会の準備を頼まれて、出欠をとっているようだ

「その日ならみんな都合がつきやすいみたいですが」
「そうねえ・・・」

タイミングを逃して5月の連休時期になるとお休みを取る人も多くなるからということもあり急いでいるのだろう。
それに、うちの会社は毎週水曜日をノー残業デイとしているから、仕事で忙しいとは言いにくい。わざわざ水曜日を選んだってことは、みんな参加しろという無言の圧だ。

「わかりました」

私は出席しますと答えてしまった。
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