再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
初めて社会に出て、男ばかりに世界に飛び込んで、それでも必死に仕事をしてきた。
悔しくて泣いたことも、理不尽に怒ったことも数えきれないけれど、いつも隣で頑張っている長嶋がいたから逃げ出さずにやって来られた。
その彼が大阪支社に課長として行くと聞いた時には、寂しさよりも自分が認められたような嬉しさがあった。
そして、残った私も彼に負けないくらいに頑張ろうと誓った。
この二年間必死にがむしゃらに仕事をし、営業成績でも結果を出したつもりだ。
今度長嶋に会ったら成長したところを見せるんだと思っていたのに・・・

「バカみたい」

それは自分に対して出た自虐的な言葉。
同時に涙が込み上げてきて、私はギュッと目を閉じた。
飲み会で酔いつぶれ逃げ出した私を見て、長嶋はきっと呆れているだろう。そう思ったから、私は目を開けることができなかった。

「お前はバカじゃないよ」

耳元のすぐ近くから声が聞こえ、柔らかな温かさに包まれた。
一瞬何が起きたのかが理解できなかったが、すぐに抱きしめられたのだとわかった。
それでも目を開ける勇気がなくて、私は目を閉じたままでいた。
そのうちになぜか睡魔に襲われ、私は長嶋の腕の中で意識を手放した。








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