再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
「どう生きたいと願うのかは、美優の自由だ。そのことをどうこう言うつもりはない。だが、無理はするなよ」
「うん、わかってる」

同期で気心の知れた友人だからこそ言ってくれる言葉に、私は素直にうなずいた。
これから先の事はまだ何もわからない。
明日会社を辞めたくなるかもしれないし、病気になることも事故にあうことだってあるかもしれない。だからこそ今こうして亮平といることに幸せを感じる。

「どうする?泊まっていくか?」
「冗談でしょう」

きっと昨日のことをからかわれているのだろうけれど、これ以上亮平に甘えてはいけない。
彼は私とは違う世界を生きる人。何しろNAGASIMAを背負っていく人なのだから。
美味しい食事を食べ、のんびりとした時間を過ごし、私達は店を後にした。

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