再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
石田くんの報告書は指導係である私と連名で作成することとなり、その日の午後に出来上がった書類を部長室に届けた。

「ありがとうございました」

私は、朝石田くんを助けてくれたことにお礼を言った。
亮平が止めてくれなかったら、課長の説教は延々と続いていた気がする。

「報告書を持ってきて、礼を言われる覚えはないが？」
「それはそうですが・・・」

おかしいな、今日の亮平はあまり機嫌が良さそうには見えない。
昨日の晩、残業しているところを見つかって叱られ、アパートまで送ってもらった。
心配をかけてしまった反省から車内での会話も弾まなかったけれど、怒っているようには見えなかったのだが・・・

「今度同じようなことがあったら、石田は他の部署に出すからな」

今回だけは目をつぶる、きっとそう言われているんだろう。

「大丈夫、私がちゃんとフォローします」

だから安心してくださいと言ったつもりなのに、亮平の顔はさらに険しくなった。
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