再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
「チーフ、本当にすみませんでした」

すっかりいつもの表情に戻った石田くんが、デスクに戻った私の顔覗き込む。

「まぁ大小の違いはあっても、みんなが経験することだから」

私は、きっと落ち込んでいるだろう石田くんを励ましたつもりだった。
しかし、今時の若者はいつまでも落ち込んでいる事は無いらしい。

「大丈夫です、これからがんばります。ところで、随分長かったですけれど、何かあったんですか?」

こうも簡単に答えられてしまうと、本当にわかってるんだろうかと不安になるが、これもまた石田くんらしさなのだろう
どうやら、自分の反省よりも私のことの方が気になるらしい。

「私の担当を外してみんなに分散するんですって」

まだ発表前だけど石田くんは関係者でもあるし、話して良いだろうと口にした。

「へー、チーフの担当を・・・」

なんだか意味深な顔。
この時の私は、石田くんが何を思っているのかがわかっていなかった。
裏を返せば、私に人を見る目がなかったってことなのかもしれない。

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