再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
後輩の誘惑
シトシトと降る雨が気分を滅入らせる6月。
もうすぐ梅雨になろうとするこの時期に、新年度が始まってまだ2ヶ月しか経っていないタイミングで、NAGASIMA本社営業二課は担当変更をして新体制となった。
そのことに全く不満がないと言えば嘘になるが、部長や課長が個々の個性を踏まえ、これから先の成長を期待しての配置だから文句を言うこともできない。
結局私は自分の担当を後輩たちに譲り、若手のサポートと課長の補佐業務に徹することとなった。
「吉野チーフ、準備はできているのか?」
課長が午後の会議を心配して声をかけてきた。
「ええ、資料は準備しましたし、前年度データも比較用に用意しています。問題ないと思います」
「そうか、よろしく頼むよ」
まだ営業に来て間のない課長は、様子がわからない分不安なのだろう。
「吉野チーフちょっといいですか?」
「うん、何?」
今度は、今回の担当替えで衣服関係のメーカーを受け持つことになった石田くんがいつものように寄ってきた。
「秋のイベント用に何か提案してほしいと言われているのですが・・」
「そうねぇ、他社の動向と購買層の需要を見て何パターンか提案してあげるといいと思うわ」
「分りました。データを揃えてみます」
先日の丸星デパートの一件があったものの、すっかりいつもの調子に戻った石田くんは変わらずマイペースだ。
他のみんなも急な担当変更に文句を言うこともなく、必死に走り回っている。
そして、私は外に出ることもなく毎日社内で過ごすようになった。
もうすぐ梅雨になろうとするこの時期に、新年度が始まってまだ2ヶ月しか経っていないタイミングで、NAGASIMA本社営業二課は担当変更をして新体制となった。
そのことに全く不満がないと言えば嘘になるが、部長や課長が個々の個性を踏まえ、これから先の成長を期待しての配置だから文句を言うこともできない。
結局私は自分の担当を後輩たちに譲り、若手のサポートと課長の補佐業務に徹することとなった。
「吉野チーフ、準備はできているのか?」
課長が午後の会議を心配して声をかけてきた。
「ええ、資料は準備しましたし、前年度データも比較用に用意しています。問題ないと思います」
「そうか、よろしく頼むよ」
まだ営業に来て間のない課長は、様子がわからない分不安なのだろう。
「吉野チーフちょっといいですか?」
「うん、何?」
今度は、今回の担当替えで衣服関係のメーカーを受け持つことになった石田くんがいつものように寄ってきた。
「秋のイベント用に何か提案してほしいと言われているのですが・・」
「そうねぇ、他社の動向と購買層の需要を見て何パターンか提案してあげるといいと思うわ」
「分りました。データを揃えてみます」
先日の丸星デパートの一件があったものの、すっかりいつもの調子に戻った石田くんは変わらずマイペースだ。
他のみんなも急な担当変更に文句を言うこともなく、必死に走り回っている。
そして、私は外に出ることもなく毎日社内で過ごすようになった。