再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
夕方何とか仕事を切り上げてやってきた、会社からツーブロック離れた場所にあるイタリアンの店。
まだ新しい店内はダークで落ち着いた雰囲気。
会社の後輩と2人で来る店とは違う気がするが、わざわざここに来たいと言ったからにはきっと何か話があるのだろう。この時の私は単純にそう思っていた

「美優さん、こっちです。場所はすぐにわかりましたか?」

一足先に店を訪れてた石田くんが、手を挙げて私を呼んでくれる。

「うん、教えてもらった通りに来たから大丈夫」

店内はそう広いわけではないが、テーブル席が4つとカウンターに10人ほどが座れるお店。カウンターの中でマスターらしき男性がお酒を用意していて、奥には厨房もあるらしく、数人のスタッフが慌ただしく行き来している。
< 83 / 123 >

この作品をシェア

pagetop