再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり
「飲みに行くのはいいさ。だがな、お前は美優をわざと酔わせただろ？」
「え、そうなの？」

確かに、初めて飲んだカクテルだったけど、すごく口当たりが良くて飲みやすかった。
それに、これだけ酔っ払うって事はかなり強いお酒を飲んだのだろうと思う。
もし石田くんが意図的に強いお酒を飲ませたんなら、ちょっと怖いな。

「俺は美優のように優しくない。お前が何をしたのか、調べればすぐにわかるぞ」
「それは・・・」

さっきまで強い口調で言い返していた石田くんが口ごもった。
という事は、亮平の言うことも全くの見当違いではないらしい。
それでも、実際飲んでしまった私の不注意でもあり文句を言えた義理ではないと自分を納得させようとしたが、気持ちとは裏腹に全身の力が抜けていった。

「ったく、危なくて目が離せない」

崩れ落ちそうになった私を石田くんの腕から奪い、今度は亮平が抱え上げた。
それからしばらく亮平と石田くんの声が聞こえていた気がする。
しかし、睡魔に襲われた私はそのまま眠りに落ちた。
< 90 / 104 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop