再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

後にも先にもそれっきり、当時俺が住んでいたマンションの寝室で電気も付けることなく暗闇で過ごした二人だけの時間。
誰にも言うことのできない二人だけの秘密ではあるものの、俺自身に後悔の念はない。
あの時俺は本心から美優の温もりを求めていたし、美優もまた俺のことを求め受け入てくれた。
俺はむしろ、このことをきっかけに美優と付き合いたいと思っていた。
ちゃんと告白して、付き合って、できることなら美優と人生を共にしたいとさえ考えていた。
しかし、その話をしようとするたびに美優は逃げ出してしまい、告白することさえできなかった。
とにかく美優の態度は頑なで、結局何も言えなくなった。
当時の俺は、これ以上追い詰めれば美優を失うんじゃないかと怖かった。