仮面を被った私たち
6月
季節も移り変わり今は梅雨
最近はずっと雨だ
アイツも………変わらず表向きは爽やかイケメン教師
男女問わず人気があるところもなおさらムカつく
私には学級委員長という立場を利用して雑用をいつも押し付けてくる
最悪
そして今日も
「なんでいつも私が手伝わされるのよ!
アンタが頼めば誰でもやってくれるでしょ」
「お前にも俺の人気が分かるようになったか」
「ウザっ」
「ハハっ
他の奴らに頼んだら表向きの顔でいなきゃじゃん
そんな面倒くせぇことしたくねぇの
だからお前しかいない」
「意味わかんない
そもそもこれ、アンタの仕事でしょ
何で手伝わなきゃいけないのよ」
「仕方ねぇだろ
忙しいのに学年主任に頼まれたんだよ」
「私だって忙しいわよ」
「そんなの知らねぇ
いいから口じゃなくて手動かせ」
そう言われ、仕方なく手を動かす
最初は弱かった雨がだんだんと強くなっていく
次の瞬間
外が光った
そしてすぐ大きな音が鳴る
っ……!
雷…………
最悪…………こんな時にコイツといたくない………
「……………帰る」
「はぁ?
まだ終わってねぇだろ」
「……か………える………」
次々と鳴り響く雷の音
一層雨が強くなっていく
雷が鳴るたびに…………あの日のことを鮮明に思い出していく………
「お前………大丈夫か……?
顔色悪いぞ」
「うる……さい…………」
「あ、何?
もしかして雷怖い?
お前もまだまだ子供だなー」
「違うから!!」
そして教室を飛び出した