仮面を被った私たち


「…………そんな顔も出来るんだな」

「………アンタが昔、何を見たのか知らないけど何も期待しないで
 今の私はこれだから
 きっと、昔のように笑うことはもうない」

「何でだよ?
 笑えば良いじゃん」

「…………帰る
 さようなら、桜庭先生」

「あっ、おい!」

引き止められても、止まらない

もうお守りも返してもらったし、アイツと話す必要はない


一体アイツは私の何を知ってるんだろう………



あの日、屋上に来たのは偶然じゃなくて狙ってきたの?


もし、そうだとしてもアイツは私に何を期待しているんだろう



どんなに私が悪態ついても絡んでくるし…………



はぁ…………もう考えるのはやめよ


アイツのことで悩みたくなんかないし



もうどうでもいいや




























気持ちを整理していると家に着いてしまった



しかも家の電気がついてる



これはまずい…………


諦めるしかないよね…………自分が悪いし…………



ガチャ

「ただい……」

「お前、遅いんだよ!!
 俺を待たせて良いと思ってんのか!?」

「ごめんなさ……」

「来い!!」


そして無理やり腕を掴まれる



あぁ………やっぱり私は逃げれないんだ………この人から………






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