仮面を被った私たち
すぐにアイツはやって来た
「四ノ宮さん、大丈夫ですか?
体調が悪いと聞きましたが………」
「えぇ………少しどこかで休みたいです…………」
「…………分かりました
立てますか?」
「なんとか…………」
どうにか立ち上がる
アイツに運ばれるのは絶対に嫌
しかも生徒がいる前では特に……
アイツと少し歩き、人がいないところまで来た
「……んで、お前はどこで休みたいんだ?
保健室は嫌だから俺を呼んだんだろ?」
「アンタが…………いつもいるところ…………」
「あそこも暑いぞ
お前なら分かってるだろ
いつも呼び出してるんだから」
「いいから…………」
「はぁ…………仕方ねぇな………
行くぞ」
なんだかんだ、アイツも私の頼みは聞いてくれる
こんな時でも………
「その辺座って休んでろ
すぐ戻ってくる」
そう言ってアイツは出て行った
暑い………
窓も閉め切ってるからなおさら暑い……
窓を開けて、勝手に扇風機も回して椅子に座った
そしてアイツも戻って来た
「これで少しはマシになるだろ」
そう言ったアイツの手には保冷剤
「後、ジャージは脱げ
廊下で作業してる奴がなんでジャージ着てるんだよ
お前はバカか」
「………………」
何も言い返せない
「また様子見にくる
ゆっくり休んでろ」
そう言い残し、アイツは出て行った
はぁ…………暑い…………
ジャージ脱いだ方がいいんだろうけど…………誰かに見られたら……………
そう思うとなおさら脱げなかった
そしてそのまま眠った