仮面を被った私たち
「………………………」
「…………やめて………こっち見るな……………」
「………誰にやられた?」
「………ぶつけた」
「普通、腕だけでこんなにぶつけるか?」
「本当にぶつけただけだから!」
「嘘つくな
お前を傷つけた奴は誰だ
言え」
「だから!!
ぶつけたんだって!!」
「お前はそこまで鈍臭くない
それだけのアザをぶつけたなら余程バカで、鈍臭い奴だな」
「私はバカで鈍臭いの
アンタだっていつも言ってるじゃん」
「そこまでバカでも鈍臭くねぇよ
それに今まで一度もお前が転んだりぶつかったりしてるの見たことない
お前、ムカつくけど運動神経良いし」
「急に褒めるとか気持ち悪いんだけど」
「はぁ?
もう褒めてやらねぇ」
「アンタいつもからかってくるじゃない」
「お前の反応が面白いから仕方がない
それに良く言うだろ?
好きな子には意地悪をしたくなるって」
「アンタに限っては好きでもないくせに」
「好きだよ
残念だけど、一目惚れ」
「何言ってるんの?
意味分かってる?」
「そこまでバカじゃねぇよ
俺は四ノ宮雅に一目惚れしました
お前こそ意味分かるよな?」
「またそんなこと言ってからかってるんでしょ…?」