仮面を被った私たち
「なに、嫉妬してんの?
ごめんねー?
俺お前は恋愛対象外だわー」
「嫉妬してるわけないじゃない!
はぁ………本当にイラつく
なんでこんなクソ教師なんかと一年も………」
「教室では良い子ちゃんでいろよ?
俺も好きでお前の担任になったわけじゃない
むしろやりたくなかった」
「こっちのセリフよ
何で異動しないのよ」
「お前のために異動する程こっちもバカじゃないんでね」
「うざっ」
「まぁ、とにかく
今年も一年、お互いの為に秘密はバラすなよ?
お前がバラしたらもれなく俺もバラすから
ちゃんと、証拠は残ってるからな」
「アンタもね
こっちにだって証拠はあるから」
「……交渉成立ってことで
じゃあな、四ノ宮雅
くれぐれも俺の邪魔はするなよー」
そう言ってアイツは去った
はぁ………もう最悪
せっかく一人になれると思ったのに
アイツ………桜庭星夜との出会いはこの屋上だ
もとからアイツの存在は知っていた
去年の春、アイツはこの学園に赴任してきた
顔立ちの良さや性格の良さ、全てが完璧で女子生徒はあっという間にアイツの虜になっていた
裏の本性も知らずに