仮面を被った私たち

「うん」

「もう少しだけ頑張ってくれ
 なるべく早くどうにかするから
 でも、もし本当に無理になったら俺に連絡しろ
 絶対に助けに行くから」

「…………別に期待してないから
 そこまでしなくて良い」

「少しは期待しろ
 今すぐには無理でも絶対に助けるから」

「………………ありがとう
 でも本当に大丈夫
 そこまでしてもらう義理はないし…………私のせいでアンタの人生までめちゃくちゃにしたくない」

「…………参考までに聞くが、その先生は何をしたんだ?」

「……私のせい
 たまたま傷を見られて………杉浦先生っていう先生に
 そしたら色々聞かれて…」

「素直に答えたんだ?」

「いや、最初は誤魔化してたけど………イジメを疑われたから
 クラスのみんなは良い人たちだったから…………その人達に疑いがかかるようなことはしたくなくて
 そうしたら素直にいうしか………」

「どんな反応だった?」

「………アンタと一緒よ
 驚いていたけど………私を信じてくれて
 それからは傷の手当てをしてくれたり………家庭訪問とか電話でお父さんと話したりして…………どうにかしようと頑張ってくれたけど…………
 やっぱりお父さんは気に食わなくて
 根も歯もない噂を流されて………私立の学校だったから学校の評判が悪くなるって………気づいたら学校からいなくなってて
 私に残してくれたのは一通の手紙とお守り
 その手紙すらお父さんにバレて捨てられたけど………」

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