仮面を被った私たち



〜星夜目線〜



あれから1週間、雅は学校を休み続けた


何度も家に電話しても体調不良としか言われない


雅のスマホに電話しても出ない


家にも行ってみたが誰も出ない



そんな中、初めて雅のお父さんが雅に電話を代わってくれた



「もしもし、雅!?
 大丈夫か!?」

「はい
 ご迷惑をおかけして申し訳ありません」

凄い丁寧な口調……

普段の雅じゃない

「……………今から言う俺の質問にはいかいいえで答えろ
 今、近くにお父さんはいるか?」

「はい」

「体調不良と聞いているが………本当か?」

「………いいえ」

「学校に来ないのは雅の意思か?」

「いいえ」

「………お父さんに止められてる?」

「…………はい」

「……………この1週間、外には出たか?」

「………………いいえ」

「………助けは………必要か…?」

「………………大丈夫です
 では、失礼します」

「あ、おい!」

そう呼び掛けても反応はなく、電話を切られた



1週間ぶりに聞いた声



それは今までで1番ひどかった


張りのない弱々しい声…………


今にも消えてしまいそうな…………


そんな声だった……




もうこれ以上………雅を放っておけない

雅がなんと言おうと、絶対に助ける







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