仮面を被った私たち

「手短にいう
 四ノ宮グループはウチが吸収することになった
 さっき、アイツも目を覚まして話してきた………」

「目覚ましたのか…?」

「あぁ
 ………………昔とはだいぶ変わってたけどな」

「そうか……………

「アイツは………会社のこととか何も言わなかったけど………雅ちゃんを頼むと言っていた」

「……………………」

「星夜、すぐに教師をやめてウチに戻ってこい
 主に雅ちゃんの面倒を見ながら朝陽たちの仕事を手伝え
 悪いけど30歳なるまで待てない」

「…………雅と離れなくて良いんだよな?」

「良い
 そもそも、星夜は雅ちゃんを探しに出て行っただろ
 こんな形になってしまったが、見つかった
 今の一条グループには冷静に物事を考えられるやつがいない
 朝陽は優しいが故に優柔不断だし、真昼はコミュニケーション力には長けているが楽観的だ
 だからなるべく早く戻ってほしい
 星夜の冷静さが必要だ」

「…………俺は雅と一緒にいられるなら何でもいい」
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