仮面を被った私たち




その後は朝陽たちに雅を任せて、俺は学校へ向かった




俺の辞表は意外とすんなり受理してくれた


荷物も片付け、車に乗り込もうとした時

「桜庭先生!」

「………如月君、どうかしましたか?」

「教師……やめるんですか?」

「……もう知ってるんですね
 やはり噂が回るのは早いですね」

「たまたま見ていた人がいたみたいで」

「そうですか」

「…………四ノ宮さんはどうしたんですか?」

「何も知りませんよ」

「嘘つかないでください!
 知ってるんですよ…………桜庭先生が四ノ宮さんのことを好きなのも………四ノ宮さんが桜庭先生のことを好きなのも………
 四ノ宮さんが…………虐待されてたのも…………」

「………どうしてそれを知ってるんですか?」

「……さすがに気づきますよ
 あれだけずっと一緒にいれば
 たまにアザも見えたので
 虐められてる感じではなかったので後は………」

「…………しばらく四ノ宮さんは欠席します
 ですが………必ず戻ると思います
 その時に、側にいてあげてください
 僕にはもうできないことなので
 それでは」


そして車に乗り、病院へ向かった










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