仮面を被った私たち
「……………お父さんは?」
「………今後、雅と会うことはもうない」
「私が会いたいって言っても?」
「会わせるつもりはない
正直、俺は許せない
ここまで雅を傷つけたんだから」
「…………そっか」
「…………………どうしても会いたくなったら相談しろ
一応考えてみるから」
「分かった」
「次は雅の話だ
雅は俺の親父が引き取ることになった
と言っても、面倒を見るのは俺だ
これからよろしく」
「……………………」
「そのうち親父とか朝陽たちも来ると思うから
覚えてる?」
「………アンタのせいで思い出した」
「ならいい
てか、いつ思い出してたんだよ
思い出したなら早く言え」
「…………言う必要性なかったから」
「……………名前、呼べよ」
「嫌」
「………昨日呼んでくれたのに
雅さ、なんで危ない状況の時に呼ぶんだよ
しかも………好きって……………
あんな状況で言われても嬉しくない
言うなら元気な時に言え」
「言えるわけないじゃん」
「………………本気で焦った
このまま死ぬんじゃないかって」
「…一緒に死にたかった
一人で逝かせちゃった……………」