仮面を被った私たち
入院はとても退屈だった
体もまだ自由に動かせる訳でもないし………
何より、やることが何もない
少し前までは………こんなことになるなんて想像もしなかった
こんな………綺麗で……………ご飯も3食あって………怒鳴られないし殴られないし…………
私はそんな環境にいてもいいの…?
私のせいで……お母さんは死んで………お父さんまで壊して…………全部私のせいなのに…………
お父さんはどうなっちゃうの…………
そんなことを一日中考えていた
気づけば夜
寝ようと思っても昼間のことがあり、怖くて眠れなかった
その状況がしばらく続いた
コンコン
そんな時、ドアをノックする音が聞こえた
看護師…?
起きてるのバレたら面倒いよね………
とりあえず寝たふりしよ
徐々に近づいてくる足音
その足音は私の前で止まった
「…………雅…………ごめんな…………」
この声………
「……何でアンタが謝るのよ」
「っ!
びっくりした…………まだ起きてたのかよ…………」
「アンタこそ何でこんな時間に来てるのよ」
「家帰るついでに寄っただけ」
「仕事?」
「まぁそんなところ
それより、雅は眠れないのか?」